2023年1月12日木曜日

洗濯の前に

着物リメイクの一番の山場は洗濯ではないかと思います。

そもそも、着物は洗濯を頻繁にしないという前提で作られていて、普段着物を着ない現代では着物はクリーニングに出すことがほとんどなので、自宅で洗濯するとどうなるかってわからないですよね。

家でリメイクのために自分で洗濯って皆さんどうしているのでしょう?

新しい洗濯表示 | 消費者庁より

私がたくさんトライ&エラーを繰り返しながら洗濯をしてみて思うのは、何のために洗濯をするのか、ということを明確にするのが大事、ということ。

リメイクのための洗濯は、長年箪笥で眠っていた古い着物を現代社会に目覚めさせるための儀式のようなもので、新品のようにきれいにするとか、また着物として使えるような状態にするということが目的ではない、ということです(ここ重要!)。

家で家庭用の洗剤を使って手洗いでやる洗濯なので、プロには及ぶ訳はなく、残念ながら長い間に蓄積されたほこりやカビを軽減するぐらいの効果しか期待できません。

逆に、「お気楽ソーイング: 何作る? 生地の特徴を生かす」でも触れたとおり、縮みや色落ちは割と起こるので、状況によっては得られる結果よりも失うものの方が大きい場合もあります。

着物自体が信頼できるところで保管されていてきれいで、ポーチやバッグなどリメイクしてから洗濯をしないのであれば敢えてリスクを取って洗濯をする必要はないと思います。

洋服であればどうしても日常的に着用後洗濯することになるので、きれいでも必ず水に浸けて縮ませてからリメイク作業をしてくださいね。


実際に洗濯をしたほうがよいかどうかを決めるのは解体してからでよいと思います。

どのくらい汚れているかを解体しながら目、鼻、手触りで感じて決めてください。


まずは雑感を。

・シミは長年放置されているので、家庭での洗濯ではほとんど取れない

・強弱はあるが色が出ない着物はほとんどない

・長時間浸け置きすると出た色が移って染まってしまうことがある

・お湯を使うと色落ちが強くなる

・すすぎ1回の液体洗剤は実は中性のものもあり、ドラム式用は少ない水で洗濯ができるように汚れ移りしにくい成分が配合されていて着物の洗濯にも良さそう

・脱水は大事

・風呂場で大きなたらいで洗うよりもA4判が入るくらいの深型トレーに生地を畳んで入れて、洗面台で洗うのが便利で楽

・着物によっては加工や糊がしてあって、いきなり洗剤を入れるといつまでたっても泡が切れないこともある

・酸素系漂白剤と洗剤を一緒に入れると、どちらの泡か分からなくなる(泡切れが悪い)

・水に浸けると樟脳臭がクラクラするほど出てくるが、乾くとそうでもなくなる


しっかり洗うと、古い汚れは落ちないものの、かなりさっぱりとツヤツヤな着物生地がよみがえりますよ。

洗濯の具体的なやり方はまた後日。

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