2023年1月14日土曜日

絹の着物をしっかり手早く洗う

お気楽ソーイング: 洗濯の前に を踏まえて考えたのが、次のやり方です。

これはあくまでも私の自己流のやり方なので、大事な着物で試す前に、失敗しても許せる着物で試してみてください。

また、木綿やポリエステルなどのもともと洗える着物は手洗いにこだわらず、洗濯機で普通のソーイング用生地と同じように洗えます。


容器は洗濯はA4が入るくらいの深型トレイ(100均のでOK)が便利です。


全体の流れ

  1. 熱めのお湯に浸けて、軽く押し洗い(または掴み洗い)し、ほこりや糊などを落とす   (色が出ます)
  2. 冷水で色落ちを止める
  3. 冷水に洗剤を入れて洗う(押し洗い又は掴み洗い:以下水は冷水)
  4. 軽くすすぐ
  5. 洗濯ネットに入れたまますすぐ(押し洗い又は掴み洗い)
  6. 着物が入るくらい(40×30cm)の洗濯ネット2枚に同じくらいの分量になるように分けて入れて1分脱水
  7. 洗濯ネットに入れたまますすぎ→脱水1分
  8. 洗濯ネットに入れたまま柔軟剤を入れた水ですすぐ→脱水1分
  9. 干す


それぞれのポイントをまとめていきます。


1.熱めのお湯に浸けてお湯だけで洗う


長期間箪笥にしまわれていた着物はほこりや糊がついていて、それが原因でカビが発生している場合があります。

また、前述のとおり、糊や加工がしてある着物をいきなり洗剤で洗うと、洗剤の泡が何度もすすがないと消えず、洗濯の時間が途方もなくなってしまいます。

着物は色落ちしやすいので、冷水で洗うのが原則ですが、まずは、洗剤を入れなくても取れる余計なものを取るために、お湯洗いします。

お湯の温度はお風呂よりちょっと熱めで、手を入れられる限度くらいで良いかと思います。

乾いているときにはあまり感じなかったカビ臭や樟脳臭がうわっと立ち上がってきます。

ここでカビ臭が強かったり、水が濁ったり、泡立ったりする場合はその状態が軽減されるまで2~3回お湯洗いをします(色が出るだけの場合は不要です)。

薄い色の着物でもこのくらいの色は出ます。色がついていても泡やカビ臭、濁りがなければ次のステップへ

2.冷水で冷やす

お湯に浸けて生地が温かいまま洗剤液に入れると、色落ちが強くなるため、一度生地をクールダウンさせます。

絹は保温性が高いため、熱々の生地のかたまりを水に浸けただけだと中の方は温かいままなので、中まで冷たくなるように生地を振り動かします。


3.洗剤液で洗う


水は冷水で、洗剤の量は水の量に合わせて洗剤のパッケージにある通り量り取ります。

どんな洗剤を使うかは好みなのですが、汚れの少ない着物であれば、おしゃれ着洗いの中性洗剤などでよいと思いますが、私は解体後の洗濯はしっかり洗いたいので、すすぎ1回の中性コンパクト液体洗剤(例:アタックゼロ)を使っています。

もちろん、洗剤のパッケージには絹OKとは書かれてませんが、蛍光剤無配合、中性で泡切れも良く、汚れもしっかり取り除いてくれますし、仕上がりはおしゃれ着洗剤と特段違いはありません。

また、ドラム式用の洗剤は少ない水量に適するように汚れの再付着を防ぐ成分が配合されているとのことなので(花王 | 製品Q&A | 【相違点】「アタックゼロ」の選び方は?)、手洗にも有用と思います(この辺はお好みで)。

洗う時は生地を傷めないようにこすり合わせたりせずに繊維の隙間に洗剤液が通るようなイメージで押し洗い又はつかみ洗いをします。

畳んだ着物生地は濡れると密な感じになるので、上からぎゅっぎゅっと押しつけても水が通りぬける感じになりづらいので、優しくおばあちゃんの肩を揉むようなイメージで洗うと良いと思います。

まんべんなく、トータル30~40揉みくらいしたら十分だと思います。

洗濯後の洗剤液。ちょっと色が出ます。


4.軽くすすぐ(予備すすぎ)

洗濯液を捨てたら軽く冷水ですすぎます。この段階でカビ臭が残っている場合は漂白剤を使用したほうが良いと思います。

漂白剤については次回まとめます。


5.すすぎ(1回目)

再度水を入れ替えてすすぎます。

洗いと同じく、水が繊維の隙間を通り抜けるようなイメージで押したり掴んだりしてすすぎます(30揉みくらい)。

コンパクト洗剤は泡切れが良いです。洗剤が洗い流されると、色はあまり出なくなります。


6.脱水(1回目)

脱水の前に丁寧に畳んで、洗濯ネット2枚に均等になるように分割して入れます。

着物の幅が余裕で入るくらいのサイズ(縦40~50cmくらい)が良いと思います。


回した時に安定するように洗濯機の中で対角線になるように入れて1分脱水。


7.すすぎ(2回目)→脱水

2回目以降は洗濯ネットのまま冷水ですすぎます。やり方は1回目と同じ感じで。脱水は1分。

※すすぎ1回洗剤を適切な量使っていて、着物の汚れが少なく泡がしっかり切れている場合は2回目のすすぎは省略可能です。(私はすすぎを念入りにしたい派なので3回すすいでいます)


8.すすぎ(3回目)→脱水

少量の柔軟剤を入れて洗濯ネットのまますすぎます。脱水は1分。

最後のすすぎではほとんど色が出なくなりました。


洗濯の後、乾くまでは樟脳臭が結構しますが、乾くとあまり気にならなくなります。

干すときはできるだけ元の折り目など伸ばすようにした方がアイロンの時に楽になります。









0 件のコメント:

コメントを投稿