洗剤で洗ってもカビ臭などがなかなか取れない場合は漂白剤の使用を検討します。
まず初めに漂白剤の分類を。絹に対して使えるもの、使えないものがあります。
- 塩素系(次亜塩素酸ナトリウム):絹のたんぱく質自体が変質するので不可。
- 液体酸素系(過酸化水素):OKだけど効果はマイルド。色柄の変色なし。除菌も兼ねてかび臭いときに試す。洗剤で洗ってかるくすすいだ後に。
- 粉末酸素系(過炭酸ナトリウム):粉末で水に溶けると過酸化水素と炭酸ナトリウムになって、アルカリ性で油を除去する働きやたんぱく変性効果があり、作用は液体の酸素系漂白剤よりも強力。
強いアルカリ性なので着物の染色の色が変わったり肌触りが変わったりすることあり。全体が黄変していて、質感や色の変化を考慮しても黄変をどうにかしたいときに試す。漂白剤をお湯で溶かした液で漂白(水では溶けにくい)。 - 還元系:素材的にはOK。必ず脱色するので白物もしくは脱色を目的で。
髪の毛の焼けた時のような臭いがあるので、要換気。
今回は洗濯の補助として使用するので、液体酸素系の漂白剤の使い方についてまとめて行こうと思います。
漂白剤を使用しても、長く放置されたシミが消えることはありませんので、あくまでも生地の奥に潜んでいるディープな汚れを取り除くのが目的です。
手順
① お湯洗い、水洗い、洗剤液洗いをする→前記事手順1.2.3.参照
② 洗剤液で洗った後、予備すすぎをして洗剤を軽く洗い流します(前記事手順4.参照)。
③ 冷水に液体酸素系漂白剤を入れ、着物を入れて泡立ちがある程度落ち着くまで優しく掴み洗いします。
④ すすぎの手順は前回説明した選択の手順5.以降と同じです。
汚れがある場合は強く泡立つので、泡が切れるまで丁寧にすすぎ→脱水を繰り返します。
手順は基本の洗い方に漂白剤の回を挟むだけで、作業は特別難しくありませんよ。
酸素系漂白剤の泡は汚れ物質と過酸化水素が反応して出来た酸素によって漂白剤中に配合されている界面活性剤に触れてシャボン玉のように発生しているものです。
なので、汚れ成分とそれに反応する過酸化水素が存在する限り(どちらかが無くならない限り)、泡は出続けます。
なお、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤、還元系漂白剤と酸素系漂白剤、塩素系漂白剤と還元系漂白剤は混ぜてしまうと、効果が無くなってしまうのでそれぞれ単品でお使いくださいね。
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