普通に服を買うと必ず品質表示があって、消費者が素材が何なのか分かるようになっています。
ところが、お仕立て品の着物は反物の段階では素材や産地などが端に付いていますが、一度仕立ててしまうと着用時に持ち歩くものでもないので離れ離れになってしまうことも多いです。
仕立てた本人ならば素材が何なのか、何処で購入した物なのか分かりますが、引き継いだ者に正確に伝わることはあまりないのではないかと思います。
プロともなれば触っただけで大体わかるようですが、私のような素人にわかるわけもなく、調べた結果分かったのは端切れを燃やしてみるしかないということ🔥🔥🔥
いや、本当に難しいんですよ。これは化繊だろうと思ったものが絹だったり、木綿ぽい気もするなあと思った紬が見かけによらず絹だったり、その逆だったり、燃やしてみないと本当に分かりません。
購入前:裏地を確認しよう
購入前に分かる方法はないかなあと考えましたが、初心者でもわかりやすいのは裏地の確認。
裏が絹なら表も高い確率で絹です(安くて手入れがしやすいのが売りの化繊の着物の裏に、わざわざコストの高い絹の裏地は使わないですよね)。
裏地も時代によってクオリティが異なるので、わかりづらいものもありますが、表地のバリエーションの多さと比べると圧倒的にわかりやすい。
艶があってとろっと柔らかい肌触りのものは絹、シャリシャリした感じの強いものは化繊、トロっとしていてもコットンのようなややふわっとした肌触りのものはレーヨン、手ぬぐいのような触感のものは木綿の可能性が高いです。
注:裏が絹なら表も絹のことが多いのですが、裏が絹以外の場合は表が絹以外かというと、そうでもないのでご注意を
燃焼実験にトライ
さて、生地の燃焼実験ですがそれぞれ素材に特徴があります。
- 木綿:メラメラ最後まで燃える:紙・焼き芋の臭い
- ウール:ポッと燃えるがすぐにくすぶって消える:髪の毛の焼けるにおい
- 絹:ポッと燃えるがすぐにくすぶって消える:トイレの芳香剤っぽいにおい(ウールの様な強い獣臭はない)
- レーヨン:木綿と似た感じ
- ポリエステル:生地が溶けて先が丸まって固まる
- アセテート:燃えた後酸っぱいにおいがする
燃焼させると非常にわかりやすいです。
実験の際は燃えない素材の受け皿やピンセットを準備して、くれぐれもやけどしないようにご注意ください。
素材が分かると、解体後の取り扱いも素材に応じた対応が出来るので、自信が持てない場合はお試しください。
0 件のコメント:
コメントを投稿